人間50年
40代というと、会社でも責任のある立場になり、また子供たちもお金のかかる年代に入ってきますので、倒れるわけにはいきません。
一方で、40歳を超えると、同年代の病気の話が耳に入ってきます。いままで大きな病気のほとんどかかったことがなく、病院に行ったことがほとんどない人は「俺は丈夫だし、自分のことは自分が一番わかってる」とは公言しているものの、内心はちょっと心配になる年頃です。
実際、肺や肝臓に負担をかけていた人は、症状として現れてきます。
定期健康診断もバリウム検査が入ってきたりして、不安を煽ります。
よく考えてみると、「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり」というように、医療が発達する前は寿命は50歳あたりであったことを考えると、臓器の耐久年数は50年くらいに神様が設定してるんですかね。
そうであれば、車のパーツように交換はできないし(移植はできるか?!)すこしでも臓器寿命を延ばすためには、日々のメンテナンスがかかせませんよね。
生活習慣病
がん、糖尿病、脳卒中、心臓病、脂質異常症、高血圧、肥満 このあたりが生活習慣病と呼ばれます。その名の通り、親元を離れてから自分で管理?してきた食事の生活習慣のツケが、いよいよやってきます。
生活習慣が原因で起こる疾患の総称。重篤な疾患の要因となる。
食事や運動・喫煙・飲酒・ストレスなどの生活習慣が深く関与し、発症の原因となる疾患の総称です。
以前は「成人病」と呼ばれていましたが、成人であっても生活習慣の改善により予防可能で、成人でなくても発症可能性があることから、1996年に当時の厚生省が「生活習慣病」と改称することを提唱しました。
日本人の三大死因であるがん・脳血管疾患・心疾患、更に脳血管疾患や心疾患の危険因子となる動脈硬化症・糖尿病・高血圧症・脂質異常症などはいずれも生活習慣病であるとされています。
19世紀まで人類の健康上の課題は感染症の克服でしたが、この課題がほぼ解決した先進諸国では20世紀以降に疾病構造が大きく様変わりして、生活習慣病が主たる死亡原因となっています。
2000年には厚生労働省により、生活習慣病の一次予防に重点を置いた「健康日本21」が策定され、9分野(食生活・栄養/身体活動・運動/休養・心の健康づくり/喫煙/飲酒/歯の健康/糖尿病/循環器病/がん)について数値目標を定め、国民健康づくり運動が推進されることになりました。
2008年には新たに内臓脂肪蓄積を基盤とした複合リスク病態であるメタボリックシンドロームおよびその予備群を2015年までに25%減少する目標が追加され、より強力な生活習慣病撲滅対策として特定健診・特定保健指導が進められています。
「厚生労働省 eヘルスネット」より
栄養価の高い食事を取れるようになった現代ならではの「現代病」と言われる内容ですね。
まずは、いちばん恐ろしい、「がん」から見ていきます
がん検診(腫瘍マーカー:CA125、CA19-9、PSAなど)
がんの検査でよくオプションとして入っているのが「腫瘍マーカー」です。この検査はもともと、がん治療の効果の観察に使われたりするものです。だから、ある程度病気が進行していないと反応しないし、ほかの病気でも数値が上がることがあるので、これだけで「がん」とは判断できません。ほかのレントゲンの写真や、実際に細胞を切り取って顕微鏡でみる「生検」が必要になってきます。
では、初期のがんが見つかったなど聞くのは、どうしてでしょうか。
それは、定期的に検査を受け、実際に胃の中をカメラで見たり、大腸が出血しないかなど検査(便潜血)をして「ちょっとした異常」を見つけ、さらに「詳しく調べる」という作業を行っていく中で見つかるもののようです。
40代男性
40代の男性は大腸がんに注意が必要です。50~60代になると肺がん、ピロリ菌による胃がん、肝炎ウィルスに起因する肝がんなども気にかけていく必要がありますが、60歳まではそれほど数的には多くありません。
40代女性
女性の注意は子宮頸がんです。子宮頸がんは、「マザーキラー」と呼ばれ、これは10歳未満のお子さんを持つ女性の方が多い、35~40歳前後の方が多く、40~50歳代で乳がんがピークになり、50~60歳代で大腸がんが増えていく傾向があるようです。子宮頸がん検診も早期発見に有効であることが科学的に実証されており、20歳以上の女性は2年に1度は受けることが推奨されています。子宮頸がんは防げるがんなのです。
乳がんは、マンモグラフィー検査と超音波検査の2種類で検査します。検診による早期発見が可能ですので、もっとも乳がん発症率が高まる40歳以降は、年に1度はこうした検診を受けると安心です。
脳血管疾患
突然死ぬやつです。
大きく分けて2種類に分かれます。
全国健康保険協会(協会けんぽ)のものが大変分かりやすいので、下記に引用します。
虚血性脳血管疾患
脳の血管が破れて出血することから起こるもので、出血した血液は「血腫」という血の塊をつくり、血腫のできた部分の脳細胞が破壊されます。血腫が周囲を圧迫すると、障害はさらに広がります。
出血性脳血管疾患は、出血した部位によって2つに分けられます。1つは脳の奥深くの細い血管に加齢や高血圧によって小さなこぶができて、これが破裂して出血が起こる「脳出血」です。もう1つは、頭蓋骨の下で脳の表面を保護している「くも膜」という膜の下で出血が起こる「くも膜下出血」です。
虚血性脳血管疾患
脳の血管が詰まることによって脳への血流が悪くなり、脳細胞が酸素不足・栄養不足に陥るもので、代表的なものは「脳梗塞」と「一過性脳虚血発作」です。
脳梗塞は、血管を詰まらせる原因によって大きく2つに分類されます。脳の血管に血栓という血の塊ができて、血栓が血管を詰まらせるものを「脳血栓」、心臓など脳以外の血管にできた血栓が、血流にのって脳へと運ばれて、その血栓が脳の血管を詰まらせるものを「脳塞栓」といいます。
一過性脳虚血発作では、血管の詰まりは一時的なもので、血流はすぐにもとに戻りますが、脳梗塞は完全に血管が詰まり、血流も完全に途絶えてしまうので、血液がいかなくなった脳細胞は壊死します。
脳の血管が詰まる訳ですから、やばいのは十分に分かります。
いわゆる血管に溜まった油がはがれて脳内の血管を塞ぐわけです。
脳血管疾患が分かる検査
脳血管疾患には動脈硬化や高血圧、脂質異常、高血糖など、複数の原因があり、多く持っている人ほど脳血管疾患の可能性が高くなります。
・高血圧を調べる血圧の検査(血圧測定)、
・脂質異常を調べる脂質の検査(血液検査)、
・高血糖・糖尿病を調べる代謝系の検査(血液検査・尿検査)
などが、脳血管疾患のリスクを見つける重要な手がかりとなります。
このほか、
動脈硬化を調べる検査として、
・眼底検査
・心電図
心電図では、脳塞栓の最大の原因となる不整脈があるかどうかもわかります。
心臓疾患
喫煙やコレステロールの高値、高血圧などにより心臓の血管の動脈硬化が進行すると、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患を引き起こしやすくなります。
以下、再び「厚生労働省 eヘルスネット」抜粋です
虚血性心疾患とは
虚血性心疾患には、狭心症や心筋梗塞があります。
狭心症は動脈硬化などによって心臓の血管(冠動脈)が狭くなり、血液の流れが悪くなった状態です。主に歩行などの動作をしているときに、胸を圧迫されるような痛みの発作が繰り返し起こり、数分以内におさまります。発作が起きたときには、冠状動脈を拡張する作用を持つニトログリセリンを舌下服用するとおさまります。
狭心症はなんらかの動作中に起こることが多いのですが、安静時に冠動脈のけいれんが起こり、狭心症の発作が起こる場合もあります(冠攣縮性狭心症)。
一方、心筋梗塞は、動脈硬化によって心臓の血管に血栓(血液の固まり)ができて血管が詰まり、血液が流れなくなって心筋の細胞が壊れてしまう病気です。胸に激痛の発作が起こり、呼吸困難、激しい脈の乱れ、吐き気、冷や汗や顔面蒼白といった症状を伴うことがあります。痛みは20分から数時間にわたることもあります。激痛は胸だけでなく、胃のあたりや腕、肩などにも起こることがあり、これを放散痛と言います。心臓の血管が一瞬で詰まると、突然死することもあります。
狭心症や心筋梗塞が疑われる場合、心臓カテーテル検査を行って、狭くなっているところや詰まっているところを見つけ、その部位で風船を膨らませて血管を拡張させるPTCA(経皮的冠動脈形成術)や、さらにその部位にステントという器具を入れて固定する治療がよく行われます。また、冠動脈バイパス手術が行われる場合もあります。
心臓が詰まれば、突然死しますし、とても苦しそうです。
心疾患がわかる検査
・心電図検査
心臓の電気的な活動の様子をグラフとして記録します。記録された波形の特徴から心臓病の種類と異常の程度を推定することができます。
・胸部X線検査
心臓の大きさ・形状を調べます。
・負荷心電図検査
運動中の異常の有無をチェックします
急ぎ足(トレッドミル)や階段の上り下りなどの運動をしていただき、
心臓に負担がかかった状態での心電図を調べます。
特に狭心症の診断に有効です。
・心臓超音波(エコー)検査
心臓の動きをリアルタイムに観察します。心臓の動きや血液の流れなどが観察でき、正常に働いているかどうかを診断します。
診断だけでなく、治療方法の選択、手術時期の決定などにも役立ちます。
まとめ
さて、いろいろ見てきましたが、40代のリスクの高い病気は「生活習慣病」と「大腸がん」でした。
そうなってくると、最初の方で自ら言っていてなんですが、
体のパーツが老化してきたというよりは、これまでの生活習慣の不摂生で、ものすごく体内の汚れが溜まり、心臓や脳の血管を止めてしまう可能性が高まってきますよー
ということですね。
ですので、40代になったら是非、
心臓 心電図・超音波検査(心臓)
脳 眼底・心電図
あと、血液検査で
脂質検査
・総コレステロール
・中性脂肪
・HDLコレステロール・LDLコレステロール・non-HDLコレステロール
・高脂血症。
糖尿病検査
空腹時血糖
循環器病検査
・赤血球数
・白血球数
・ヘモグロビン量
・ヘマトクリット値
・MCV・MCH・MCHC
このあたりを通常の健診や、人間ドックのオプションで付けましょう(すでにこれ以上検査をしている人は、すばらしい)
あとは、がん検診もはじめましょう。
自分の健康を管理・コントロールすることは、
突然脳や心臓の血管が詰まって、なんの引継ぎもできずに急に死んでしまうという不幸な結果を生まないために必要です。
責任のある立場のものとして、自ら確認するように自覚していきましょう