新・健康診断の読解マニュアル⑪ ~血液像(リンパ球・単球)~

リンパ球・単球

リンパ球:16.5~49.5%
単球:2.0~10.0%

リンパ球と単球は、白血球の一部であり、免疫システムにおいて重要な役割を果たします。
それぞれの基準範囲、役割、異常値が出た場合に考えられる病気について説明します。

リンパ球:

基準範囲: 大人の場合、通常は白血球の約20-40%を占めます。
絶対数では、1マイクロリットルあたり1000〜4800リンパ球が一般的です。

役割: リンパ球は、免疫システムの中で、ウイルスや細菌に対する抵抗力を提供します。
リンパ球にはB細胞、T細胞、ナチュラルキラー細胞などが含まれます。

異常値が出た場合に考えられる病気:

  • リンパ球増多症: 感染症(特にウイルス感染)、自己免疫疾患、リンパ腫、慢性リンパ性白血病など
  • リンパ球減少症: 免疫不全、エイズ、骨髄異形成症候群、放射線治療や化学療法、ステロイド治療、重症感染症など

単球:

基準範囲: 大人の場合、通常は白血球の約2-10%を占めます。
絶対数では、1マイクロリットルあたり200〜950単球が一般的です。

役割:
単球は、細菌やウイルスなどの病原体を貪食し、免疫応答を調節する役割を果たします。
また、炎症の制御や組織の修復にも関与しています。

異常値が出た場合に考えられる病気:

  • 単球増多症:
    感染症(特に細菌感染)、慢性炎症性疾患、自己免疫疾患、単球性白血病、悪性腫瘍など
  • 単球減少症:
    骨髄抑制(化学療法や放射線治療の影響)、骨髄異形成症候群、重症感染症、ステロイド治療などが、単球減少症の原因となることがあります

異常なリンパ球や単球の数値が見られる場合、
それらが特定の疾患を示すとは限りません。
他の症状や検査結果と総合的に判断することが重要です。
不安や疑問がある場合は、専門家の意見を求めることをお勧めします。

リンパ腺とリンパ球の関連は?

リンパ腺(リンパ節)とリンパ球は、免疫システムの一部を構成し、密接に関連しています。
それぞれの役割について説明します。

リンパ腺(リンパ節):
リンパ節は、リンパ系の一部であり、リンパ液の流れを通して免疫応答を調節する役割があります。
リンパ節には、リンパ球を含む免疫細胞が存在し、細菌、ウイルス、がん細胞などの異物がリンパ液に入ってくると、
これらの免疫細胞が活性化されて病原体や異物を攻撃・排除します。

リンパ球:
リンパ球は、白血球の一種であり、免疫システムにおいて重要な役割を果たします。
リンパ球にはB細胞、T細胞、ナチュラルキラー細胞などが含まれ、
ウイルスや細菌などの病原体に対抗する抵抗力を提供します。

リンパ腺とリンパ球の関連:
リンパ腺は、リンパ球が集まる場所であり、免疫応答が活発に行われる場所です。
リンパ節には多くのリンパ球が存在し、病原体や異物が侵入した際には、リンパ球が活性化されてそれらを攻撃・排除します。
そのため、リンパ腺(リンパ節)とリンパ球は密接に関連しており、共同して免疫システムの機能を維持しています。

リンパ球の内訳 詳細

リンパ球は白血球の一種で、免疫システムの主要な細胞です。
リンパ球は主に3つのサブタイプに分類され、それぞれ異なる機能を持っています。以下に、それぞれのリンパ球のサブタイプとその機能を説明します。

  1. T細胞 (Tリンパ球)
    T細胞は、免疫システムで中心的な役割を果たします。彼らはさらにいくつかのサブタイプに分けられます。
  • ヘルパーT細胞(CD4+ T細胞):
    これらの細胞は、免疫応答を調節する役割があります。
    ヘルパーT細胞は、他の免疫細胞(B細胞やキラーT細胞)に対してシグナルを送り、
    それらを活性化して病原体に対抗します。
  • キラーT細胞(CD8+ T細胞):
    これらの細胞は、ウイルス感染細胞やがん細胞を攻撃・破壊する役割があります。
  • 記憶T細胞: これらの細胞は、過去に感染した病原体に対する情報を保持し、再感染時に迅速な免疫応答を引き起こす役割があります。
  • 制御T細胞: これらの細胞は、免疫応答を抑制し、自己免疫疾患や過剰な免疫反応を防ぐ役割があります。
  1. B細胞 (Bリンパ球)
    B細胞は、免疫システムで抗体を産生する役割があります。
    抗体は、病原体や異物に結合し、それらを無力化したり、他の免疫細胞による破壊を促進することで、免疫応答を助けます。
    また、B細胞にも記憶細胞が存在し、再感染時に迅速な免疫応答を引き起こします。
  2. ナチュラルキラー細胞 (NK細胞)
    ナチュラルキラー細胞は、ウイルス感染細胞やがん細胞を攻撃・破壊する役割があります。
    彼らは、免疫システムの最初の防御線として機能し、
    T細胞やB細胞の介入が必要となる前に病原体や異物を排除する能力があります。
    ナチュラルキラー細胞は、抗原提示が必要なく、
    特異的な抗原認識なしに広範な対象細胞を攻撃できるため、自然免疫応答の一部とされます。

    これらのリンパ球サブタイプは、協力して免疫システムを維持し、
    病原体や異物から身体を守ります。免疫応答が適切に働くことで、感染症やがん、自己免疫疾患などの発症リスクを低減できます。
    ただし、免疫システムのバランスが崩れると、様々な病気が引き起こされることがあります。
    そのため、免疫システムの健康を維持することが重要です。

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