便潜血検査
便潜血検査(便中の隠れた血を探す検査)は、消化器系の疾患を初期段階で発見するための重要なツールです。
消化器系の疾患とは、口から肛門までの消化管とその付属器官(肝臓、胆のう、膵臓)に影響を及ぼす疾患を指します。
具体的な疾患としては、
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、大腸がん、胃食道逆流症、胆石症、肝炎、肝硬変、膵炎、クローン病、潰瘍性大腸炎
などがあります。
潜血はその名前が示す通り「隠れた血」で、目視では確認することができません。
便潜血検査は便中の微量の血液を化学的に検出します。
もし便に血液が目視できる程度に存在している場合、それは「顕血」と呼ばれ、
すぐに医療機関で評価を受けるべき重大な症状である可能性があります。
**原因と結果:**
便潜血検査で、陽性の結果は、消化管(特に大腸)の出血を示す可能性があり、
これは潰瘍、ポリープ、大腸がんなどの病状によるものである可能性があります。
**検査の意義:**
便潜血検査は、初期の大腸がんを検出するための有用なスクリーニングツールとして広く認識されています。
大腸がんは初期の段階ではほとんど症状を示さないため、この検査は大切です。
**放置した場合のリスク:**
放置した場合、早期発見が難しくなり、潰瘍、ポリープ、大腸がんなどの病状が進行する可能性があります。
これらの状態は進行すると重篤な健康問題を引き起こす可能性があります。
**日本の文献:**
1. 井手 弘樹 et al. “大腸がん検診における便潜血検査の有用性.” 日本医師会雑誌, 157(6), 1166-1170, 2017.
2. 橋本 隆一 et al. “一般集団における便潜血検査の効果.” 日本内科学会雑誌, 106(5), 672-678, 2017.
3. 山本 剛 et al. “便潜血検査と大腸内視鏡検査のスクリーニングについての研究.” 日本大腸肛門病学会雑誌, 71(6), 558-564, 2018.
**海外の文献:**
1.
“Colorectal cancer screening: Recommendations for physicians and patients from the U.S. Multi-Society Task Force on Colorectal Cancer.” Gastroenterology, 153(1), 307-323, 2017.
2. “European guidelines for quality assurance in colorectal cancer screening and diagnosis.” Endoscopy, 45(01), 51-59, 2013.
3. “Cost-effectiveness of colorectal cancer screening.” Epidemiologic Reviews, 33(1), 88-100, 2011.